Tuesday, February 7, 2012

小さな贅沢

月に1、2回は伺わせていただいている老舗の蕎麦屋。

お昼のピークを過ぎた頃、ひっそりとこの店へ向かう。渋く褪せた暖簾をくぐり、店内へ入ると、いつものおばちゃんが、いらっしゃいまし~と迎えてくれる。
テーブルに、椅子に、座敷にと全て長年の時を経た、何かを感じさせてくれる。

私以外にもお好きな方がいらっしゃるようで、同じような時間帯に来ては、ちびちびとやっている。

この蕎麦屋、酒も、あても、蕎麦もそこそこうまいが、すごくうまいというほどではない。

ならばなぜ、この店に通うか。

この独特な雰囲気、淡白な接客、もちろん音楽など一切かかっていない。
蕎麦屋へ行くときは、誰とも話したくない。
近くて、ひとりの時間を過ごすのにとても良いからという理由もあるのだが、。
一番の理由が別にある。
一合徳利にあいにいくため。
写真では、雰囲気が伝わりにくいが、もっともっと渋く、使い込まれた独特な素晴らしい質感。

この徳利を愛撫し、愛でながら、ちびちびと燗をやる。
しっとりと丸く、心地の良い重みがある。
好みの酒器で酒を飲むとなんとも言えぬ、ゆっくりとした時間が流れる。

からすみや板わさなんかをあてに、ちびちび、ちびちび。
最後は、決まって田舎せいろ。
どろどろの蕎麦湯でしめる。
全身が温まる。

時間が、少しできた時の小さな、なんとも贅沢な時間。