Tuesday, March 19, 2013

今までの感覚を覆される喜び

運良く予約がとれた。

その鮨屋は、ネタを腐る寸前まで熟成させるのだという。
お客様や知り合いの方々から、話をうかがい、必ず行かなければと思っていた。

店に入ると、独特なにおいがある。
もちろんそれは、掃除のゆき届いていない、それとは違う。
が、今までに行った鮨屋のにおいとも違う。

カウンター8席のみ。

ビールを飲みながらつまみを、それからいつもの通り、日本酒を燗で。
飲んだことのない日本酒、黄色く、おりが少し入っている。
最高にうまい。
それから、にぎりを。

何が出てきたか細かく書いていると、長くなるので、省略。

結論から言うと、私の感覚では理解できない。
つまり、味についていけない。
味を全くと言っていいほど理解できないのだ。

以前、とある有名な焼鳥屋でパテを食べた。
今までに、色々な店で何度となく食べてきているので、パテとはこういうものだ、こういう感じの味がするものだと勝手に決めつけている。

しかし、その焼鳥屋のパテを一口食べたとき、頭が真っ白になった、というと言い過ぎかもしれないが、そんな感覚に陥った。
今までのパテの味と違いすぎて全く理解できなかった。
とーんと遠くへ飛ばされたような感覚がした。
5、6口食べたあたりから、あ!うまい、そう思った。
それからその店へは何度か通い、通うたびにそのパテを食べる。
そのパテを食べてから、こんなパテもあるのだと知り、舌の感覚のはばが広がった気がした。

そのパテについては、5、6口食べて、理解できたのだが、今回の鮨屋の味は、何度も通わないと、私には理解できないものだと思った。
いや、果たして、通い続けたとして、本当の意味でうまいと思えるようになれるかすら疑問である。
でも、ここには、何かがある。

実家の目の前は、すぐに海、父親は漁師という環境で育った私にとって、大きく常識を覆される味だった。

こんな味があるのかと、驚いた。

何度も試行錯誤をし、何度も失敗し、魚を捨てたことも沢山あったのだそうだ。

鮨屋が通う、鮨屋。
そこには、間違えなく何かがある。

その何かを少しでもつかめるようになりたい。
だから通おうと思う。


独自の方法で靴磨きを行っている私にとって、料理や料理人そして、美容は、最も刺激を受けヒントをもらってきた。

今回の鮨屋を知り、また、何か新しい可能性を感じた。

日々色々なことやものに触れ、よりよい仕事ができるよう努めていきたいと思う。


まだまだ、なんにも知らない私ですが、つくづく思った、知らない世界を知るというのは、なんて楽しいものなのかと。
そして、思う、その世界を自分なりに理解し、解釈できるようになった先に、また何か新しい世界があるのだと。



maestro
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